横浜市経済局の【若者就労支援】の実態は?~決算委員会の質問から、その1

投稿日: 2013/12/14 7:49:11

今月10月は来春採用の内定が解禁される月として、大手企業の内定式のニュースなどが流れました。

厚労省によると今月時点で大学生の内定率は6割前後との事。

氷河期の再来とも言われた厳しさがいまだ続いています。

失業率も非正規雇用の率も、常に全年代の中で最も高く厳しい若年層の雇用を改善することは、自治体にとっても喫緊の課題です。

そこで今回の決算では、市の雇用対策を主に担う経済局の若者就労支援について質問しました。

これは市が行っている「市内企業と横浜で働きたい人をマッチングする無料職業紹介【ジョブマッチングよこはま】のチラシ。

昨年度1,500万円の事業費で212人の就業、と成果が決算資料に説明されています。

どのように行っているのかと、チラシに出ている会場に行って見ました。

ここは横浜駅東口、丸井などが入っているスカイビルの19階。

「LEC東京リーガルマインド」という資格取得学校の入り口です。

その一角に【ジョブマッチングよこはま】の案内が出ています。

今は昔の(!)受験生だった頃を思い出す雰囲気でした。

【ジョブマッチング】を受けるには事前に電話予約して、この奥の教室での面談などに来ることになります。

その手前の部屋にはたくさんの参考書や資格取得コースの宣伝が。

中には20万円もするコースもありました。

どうにか仕事に就きたいという思いでここに来たら、何だか煽られてしまいそうです。

とは言え、年間1,500万の事業で212人の若者が就労できたなら、なかなか効果の高い事業なのかも、、、と思いつつ、調査を進めての質問。

その一部を少し紹介させて下さい。

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sakurashitumon
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詳しくは、横浜市議会のインターネット中継をご覧ください>こちら

井上 212人というが、詳細を見たら違う報告が市に上がっている。

実際にこの事業で就労できたのは何人か。

局長 【ジョブマッチング横浜】としては12人。

井上 では、その他の200人はどのようにして仕事についたのか。

局長 多分、、、、ハローワークなどかと。

井上 把握していないのか。

局長 12人以外は分からない。

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井上 「横浜で働きたい人」という看板で若者を募っておきながら、実際にどうなったかも把握していないのでは事業の効果が分からない。

また、この事業のために市内企業には求人情報を提供してもらっており、それが活かせていないのではないか。

局長 改善の余地は、、、あります。

横浜市会決算第一委員会 10/4 (概要の一部)

この事業のために市内企業が提供した求人情報は23年度の新規だけで1,085人分。

この事業に応募した市内で働きたい人は同年度新規で778人。

この両者の間をつなぎ、必要なら技能の習得や条件整備などを手伝ってこそ、市が行う【マッチング】になるのではないでしょうか。

その努力がされず、ハローワークかどこかで就業したんでしょ、というのでは、何のために貴重な税金を出して事業を委託しているのか分かりません。

さらに、この先の問題もあります。

質疑の続きから

井上 求人した企業や希望の職種・特技などを登録した若者の個人情報などは市に戻されているのか。

局長 特に回収していない。

井上 LECとの契約では1年ごとに市に回収するか、市の立ち会いの元で廃棄する事になっているが行っていないのか。

局長 失念しておりました。

LEC東京リーガルは、6年連続でこの事業を受けていますが、過去一度も収集した情報を市に戻していません。

この会社は資格取得学校の経営の他に、人材派遣や仕事紹介なども行っています。

その「人材サービス部門」という所に、事前に問い合わせてみました。

「企業がこちらの求人サービスを利用すると費用はいくら位かかるのですか?」

「雇用契約が成立した時点で紹介した働き手の年収3割分を頂きます。」

つまり、マッチングの成功報酬ですね。

3割ということは、年収300万円で一人就労させるとLECに100万円入るという事。

こういうビジネスを一概に否定するものではありませんが、仕事を探している人の個人情報がそのまま商品価値を持つような特定企業に、市の看板で情報収集をさせ、それを放置している事には大きな問題があると思うのです。

そして、もう一つの事業にも問題が・・・(つづく)